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2005年08月 アーカイブ

2005年08月16日

NINAGAWA十二夜

七月大歌舞伎、NINAGAWA十二夜を見た。(7月26日、昼の部)
意外なことに、蜷川幸雄が歌舞伎の演出をしたのは初めてとのこと。
ぼくたちのすぐ後ろの席に、翻訳者の小田島雄志先生がいらしていて、ぼくは、学生時代に教室の片隅で謦咳に接したことがあるものの、先生が覚えておられることなどあろうはずもなく、一方的に少し居心地の悪い思いをしたわけだけれど。
劇そのものについては、まあ、素人がどうのこうのと言うこともないと思うが、ぼくには心底から楽しめた。
この貪欲さというか、冒険をおそれない大胆さというか、歌舞伎が過去のものではなく、現代に生きている演劇だということを痛感した。
先日、ベルリンのシュターツオパーで感じたオペラの伝統といったことが、東京の歌舞伎座で、全く同じように息づいていることに、ぼくはちょっと誇らしい思いを抱いたのだった。

2005年08月18日

Peter Jennings:あるアンカーの死

ABCのカリスマアンカーだったPeter Jenningsが死んだ。8月7日。享年67歳。死因は肺ガン。
例によって、On The Mediaでも、このことを取り上げている。
http://www.onthemedia.org/transcripts/transcripts_081205_jennings.html
大きな流れとしては、偉大なアンカーたちの時代が終焉を迎えつつあり、インターネットを軸とする新しいメディアが台頭してきている、という趣旨になっている。しかし、この番組(Bob garfield)の立場は、心情的には古き良き時代に与している。

In the worst of national moments the anchorman's authority and celebrity convert to trust, imposing a sense of calm in the midst of chaos. War, terror, assassinations, space catastrophe--that's when an anchor takes hold, keeping the society moored to the sandy bottom.

上記のフレイズは、旧メディアと新メディアとの相克についての議論で、旧メディアの(いい意味での権威性)について、余すところ無く語っている。そして、最後のマクルーハンを踏まえた一言が、何よりも偉大なアンカーに対する惜別の言葉となっている。

Google News and Wikipedia are all well and good, but the medium is more than the message. It's the messenger, too.

2005年08月30日

Rioブランドが消える日

初期のシリコンオーディオを引っ張っていたRioのブランドが、市場から消えるという。
う~ん。何だか、感無量だなあ。
ぼくは、割と先物買いなので、PMP300というRioの初号機も購入した。それも、日本では手に入らなくて、友人に頼んで、香港で買ってきてもらった。
ところが、ACアダプターのプラグが、香港仕様のバカでかい三つ叉タイプで、それを日本のソケットに差し込むためのアダプターを探して、秋葉原中を走り回ったりしたものだ。
その後、ぼくは、いったい何台のシリコンオーディオを買っただろう。もう数え切れないほど。
そのうち、iPodが出た。iPod Shuffleも出た。日本の大手家電メーカーも含め、多くのメーカーが、大同小異の機械を出し、今や、老若男女がいたるところでシリコンオーディオで音楽を聴く時代がやってきた。
そうした中で、ウォークマンを世に送り出したソニーは、一時期シリコンオーディオの分野で決定的な遅れを取っていた。まあ、その大きな理由は、ソニーが取ったコンテンツ提供者側に寄った知的財産権保護の施策にあったことも周知の事実だが。
ぼくは、ウォークマンの初代も買ったのだけれど、時代に魁けるヒリヒリするような快感は忘れがたい。その快感の中には、時代に魁けて製品を世に送り出した開発者たちへの仄かな共感も含まれていたはずだ。
いささかのほろ苦さとともに、魁けたちへの惜別の挨拶を送りたい。
ありがとう、Rio。

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